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「プレコンセプションケア」を知っていますか?
プレコンセプションケア(プレコン)とは?
プレ(pre)とは「~の前の」、コンセプション(conception)とは「受精・懐妊」のこと。
つまり、プレコンセプションケアとは、「妊娠前からの健康管理」を指します。
近々妊娠を計画している方だけでなく、思春期以降の妊娠可能な女性、そのパートナーやご家族にもぜひ知っていただきたいケアです。
プレコンセプションケアの目的
- プレコンセプションケアによって若い世代の男女の健康を増進し、より質の高い生活を送ること
- 若い世代の男女が将来より健康になること
- より健全な妊娠・出産のチャンスを増やし、次世代の子どもたちをより健康にすること
プレコンセプションケアが必要な理由
妊娠前からの女性の健康状態が、妊娠や赤ちゃんの健康に影響します。特に、若い女性の健康問題(やせ、肥満、喫煙、飲酒、葉酸摂取不足など)が、早産や低体重で生まれるリスクを高めます。
プレコンセプションケアを行うことで、このようなリスク因子を減らし、健やかな妊娠・出産に繋がります。
また、妊娠を考えていなくても、自分自身がさらに健康になり、より豊かな人生の実現にも繋がります。
プレコンチェックシートで健康状態を振り返ろう!
まずは、プレコンチェックシートを用いて、現在の自分の状態を振り返りましょう。
そして当てはまる項目を1つずつ増やしていきましょう。
できることから1つでも始めましょう!
適正体重を維持する
やせ(BMI18.5未満)は、貧血や骨粗鬆症といった病気の原因になるだけでなく、低出生体重児など、将来の赤ちゃんの健康にもかかわります。
また、肥満(BMI25以上)は、妊娠糖尿病や妊娠高血圧などのリスクを高めます。
健康を保つためには、やせすぎも太りすぎも良くありません。適正体重(BMI22)を知り、維持するよう心がけましょう!
※BMI=体重(kg)÷{身長(m)×身長(m)}
※適正体重=22×{身長(m)×身長(m)}
食生活を見直す
1日3食、そして、主食・主菜・副菜のそろった食事を心がけましょう。
特に女性は、妊娠してからではなく、日頃から葉酸を意識して摂取しましょう。葉酸は、胎児の脳や脊髄のもととなる神経管の形成時に必要です。その形成は妊娠初期に行われるため、妊娠前からの葉酸摂取がとても大切です。
適度に運動する
1週間に150分の運動を目安にしましょう。普段、運動習慣が無い方は、「毎日今より10分多く動く」など、できることから始めてみましょう。
心も身体もメンテナンス
心身のメンテナンスに欠かせない生活習慣が、睡眠です。睡眠の質を高めることは、日々の疲れを回復させるだけでなく、様々な病気の予防にもなります。
そして、自分のストレスに気づき、自分なりのストレス解消法を見つけておくことも大切です。
タバコは吸わない
喫煙は、不妊や流産、早産、低出生体重児のリスクを高めます。また、受動喫煙も健康に影響を及ぼすため、家族やパートナーの禁煙も大切です。
飲酒は控えめに
お酒は、適量であれば緊張やストレスの緩和、血行促進などの効果がありますが、飲みすぎには要注意です。
節度ある適度な飲酒量は、1日に純アルコールで20g程度(ビール500ml )です。
妊娠を考え始めた時から飲酒は控え、妊娠中は禁酒をしましょう。
感染症を予防する
若い人の間で性感染症が増えています。性感染症は、男女ともに不妊の原因になったり、赤ちゃんの健康に影響を与えるものもあります。パートナーと一緒に感染し合うことがないよう、予防・治療に取り組みましょう。
また、風疹の予防接種を受けているか確認しましょう。妊娠中に風疹にかかると、赤ちゃんが先天性風疹症候群になる可能性があります。
若いうちから健診を受ける
ぜひ、若いうちから毎年健康診査を受けてください。自覚症状がなくても、体は日々変化しています。
早期発見・早期治療することで重症化を予防することができます。
かかりつけ医を持つ
気軽に相談できるかかりつけ医を持つようにしましょう。
また、現代の女性は妊娠・出産回数の減少により月経回数が増え、月経困難症などの月経に関する悩みを抱えている方が増えています。月経や性感染症などの悩みを気軽に相談できる「婦人科」のかかりつけ医を持つこともおすすめです。
詳しく知りたい方はこちら
国の取り組み
厚生労働省が作成した若年層向けの性や妊娠などの健康相談支援サイトです。