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アート・ヴィレッジとうおん構想 取組の成果と今後の方針について
はじめに
本市では、固有の地域資源を最大限に活用し、東温市ならでは(オンリーワン)の魅力を創造・発信することで、「東温市と言えば、舞台芸術の聖地」としてのブランディングを図り、舞台芸術を核とする文化芸術の産業化及びアーティスト人材の移住、文化創造都市としてのシティブランドの醸成によるまち・ひと・しごとの好循環を目指すことを目的とした「アート・ヴィレッジとうおん構想」を策定し、各種事業に取り組んできました。
この「アート・ヴィレッジとうおん構想」の計画期間が令和7年度末をもって満了となることから、これまでの取組が本市にもたらした成果を検証し、その成果を踏まえ検討した令和8年度以降の方針を決定しましたので公表します。
目次
1 「アート・ヴィレッジとうおん構想」とは
理念
将来像
構想実現に向けた戦略
2 取組により得られた成果
3 今後の方針について
1 アート・ヴィレッジとうおん構想とは
「東温市=舞台芸術の聖地」を目指し、市内全域を対象として、舞台芸術を核とする文化芸術の振興及び新規産業への波及、アーティスト人材の移住・定住、文化創造都市としてのシティブランドの醸成を図り、多様性と創造性にあふれた元気なまちづくりにつなげようとするものです。
アート・ヴィレッジとうおん構想[PDFファイル/1.3MB]
アート・ヴィレッジとうおん構想 中長期取組部分更新 [PDFファイル/677KB]
アートヴィレッジとうおん公式HP<外部リンク>
アート・ヴィレッジとうおん構想の理念
構想は以下の3つの基本理念で成り立っています。
1 芸術関連人材の移住・活躍をきっかけとした交流人口の拡大を図る
2 交流人口拡大による観光関連産業・周辺産業での市内経済の活性化を図る
3 演劇関連の「仕事」と「学びの場」の要素を創出する
1 芸術関連人材の移住・活躍をきっかけとした交流人口の拡大を図る
舞台芸術関連の「仕事」と「学びの場」を提供することで、役者や脚本家、技術スタッフなど、全国から活躍の場を求めているアーティスト人材の移住、長期滞在を促進します。
これら人材の活躍を積極的に発信し、「東温市でクリエイティブな仕事ができる」というメッセージを全国に向けて発信し、まちの認知度向上や移住・定住につなげます。
2 交流人口拡大による観光関連産業・周辺産業での市内経済の活性化を図る
舞台芸術を中心としたエンタテイメント産業の集積を目指すものであり、市内各地の豊かな自然環境を生かしながら魅力的なコンテンツを作っていきます。
3 演劇関連の「仕事」と「学びの場」の要素を直接的に創出する
文化交流拠点の創造に合わせて、舞台芸術の可能性を広げる取組として、映像編集ラボ(映像制作会社)等の誘致、立ち上げも視野に入れ、舞台芸術から派生する新たな産業の創造を目指します。
将来像
この構想は、「東温市と言えば、舞台芸術の聖地」としてのブランディングを図り、舞台芸術を核とする文化芸術の産業化及びアーティスト人材の移住、文化創造都市としてのシティブランドの醸成によるまち・ひと・しごとの好循環を目指すものです。
構想実現に向けた戦略
実現に向け、以下の3つの戦略を打ち立て、各種取組を推進します。
1 文化交流拠点の創造
2 アーティスト人材の移住促進と人材育成
3 舞台芸術から広がる新たな価値の創造
1 文化交流拠点の創造
坊っちゃん劇場に隣接する商業施設(クールス・モール)の空きスペースをリノベーションし、創造活動の拠点となる「東温アートヴィレッジセンター」を設置し、小劇場、多目的稽古場、交流サロンの3エリアを設置しています。
2 アーティスト人材の移住促進と人材育成
豊かな自然環境を有する本市の強みを活かし舞台芸術人材を受け入れるため、滞在ができる場所の整備や、アーティスト同士の交流の場を開設します。
3 舞台芸術から広がる新たな価値の創造
文化交流拠点の創造に合わせて、舞台芸術の可能性を広げる取組として、映像化が難しいと言われる舞台芸術の臨場感を表現するための8K映像演劇を官民連携で開発するなど、舞台芸術から派生する新たな産業の創造を目指します。
2 取組により得られた成果
アート・ヴィレッジとうおん構想がスタートして10年目を迎え、計画期間は令和7年度末までとなりました。
そこで、計画終了に先立ち、構想の成果検証を行いました。
成果への評価は「定量評価」(数値目標に対する評価)と「定性評価」(数値以外の面に着目した評価)の観点から行いました。
定量評価
芸術関連人材の移住者数、また、交流人口の拡大による経済波及効果を算出したところ、次の結果になりました。
移住者数
芸術関連人材の移住者は、25人でした。計画では目標を94人としていたので、「未達成」といえます。
計画(目標)値 | 現状値 | 達成状況 | |
【移住者数】 | 94人 | 25人 | 未達成 |
うち関連人材 | 14人 | 22人 | 達成 |
うち俳優養成所等 | 80人 | 3人 | 未達成 |
経済波及効果
一方、経済波及効果は、5億6518万円から16億3304万円と推計され、目標値を大きく超える結果となりました。
計画(目標値) | 現状値 | 達成状況 | |
【経済波及効果】 | 3億1750万円~ 7億1750万円 | 5億6518万円~16億3304万円 | 達成 |
うち移住者 | 1億1750万円 | 3125万円 | 未達成 |
うち交流人口 | 2億~6億円 | 5億3393万円~16億179万円 |
達成 |
※経済波及効果(うち移住者)の算出方法:移住者数×125万円(年間消費 国平均額)
※経済波及効果(うち交流人口)の算出方法:センター来館者数×5000~15000円(日帰り観光消費額)
東温アートヴィレッジセンター来館者数 計画値40000人⇒現状値106,786人(R7.5末現在)
定性評価
また、数値以外の面に着目して検証を行った結果、特に以下の4点の効果が見られました。
・アートヴィレッジセンターの整備やアートヴィレッジフェスティバルの実施を通して、市内外の人材や民間団体が舞台芸術に参加できる基盤の創出や市の文化的な土壌の発展につながりました。
・移住施策としての成果は目標に達しませんでしたが、交流人口は想定以上に拡大し、新たな人流の創出による経済効果の拡大や地域活性化に寄与しました。
・ メディアからの取材申入れや全国の自治体等からの行政視察等の受け入れ実績が増加し、「舞台芸術の聖地」としてのブランディング、市のプロモーション戦略としての効果が拡大しました。
・これまで取り組んできた東温市民ミュージカルの実施や中四国学生演劇祭の開催、中学・高校等との連携拡大は、文化芸術関連人材の育成、情操教育の推進に貢献しました。
3 今後の方針について
これまでの取組の検証結果や、検証過程における協議の内容等を踏まえて検討した、令和8年度以降のアート・ヴィレッジとうおん構想に関する取組方針について、以下のとおり公表します。
本方針については、市の更なる発展を目指すに当たり、現時点における市の考え方を取りまとめたものであり、今後、文化芸術に携わる各団体や個人の方々と幅広く意見交換を重ねながら、本市がよりよいまちづくりを進めていけるよう、引き続き更なる改善に努めてまいります。